2022/08/27

相続税の書類を書いた

 税務署に相続税の書類を提出した。

「相続税」でぐぐると、だいたい税理士さんのサイトがヒットし、ある程度は解説してくれるものの最終結論は「相続税に詳しい税理士に相談しましょう」になっている。

まあ……何事も金で叩くのが一番楽なのは知っている。だけどそうできないときもある。今回がそうだった。

詳細は家庭の事情なので書けないが、我々も最初はお金かかってもいいから税理士さんに丸投げしちゃおうと思ってた。よくわからないし、めんどうそうだし。でもどうにも手詰まりになってしまったので、自分で書くことにした。

まず基本的なことは3つ。


1 相続人が誰なのか、明らかにする。

2 財産を明らかにし、誰が何を取得するのか決める。

3 記載例を読んで書く


これだけ。と、親戚に教えてもらったので、混乱しそうな時もこれを忘れずに作業した。


以下ちょっと追記。
間違ってるといけないから詳細には書きません。。改正とかで今後変わるかもしれんし、正しくは税務署で資料をもらうか、国税庁のサイトの情報を読んでいただきたく。
そして以下の文章は間違って記憶している可能性もありなので、信用しないで〜。



1 相続人が誰なのか、明らかにする。

身内の人間にしたら「あの人とこの人に決まってるじゃん!」と当たり前なことなのだが、申請の際には第三者が見て「間違い無くそうである」という書類が必要だ。


相続人とは(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4132.htm


法務局のサイトに「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」とExcelのフォーマットがある。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html


税務署からもらった書類には祖父母の代から記載する用紙があったが、上のサイトにあるのは被相続人と配偶者・子まで。どちらがいいのか分からないが、自分は法務局のフォーマットを使って作成した(けど、めちゃ使いづらい……)。

このほかに全部の戸籍謄本を取得済みだったので、それも添付した。これは被相続人の親の代からの謄本で、我が家の場合は全部で5冊になった。最新のものは1冊450円なのだが、それ以前の古いものは1冊750円。450+(750×4)=3,450円である。区役所の受付で白目になった。古い謄本は高いけど、でも手描き筆文字なので見るのは楽しい。

5冊で済むのは少ないほうだそう。取得の際はお金の用意をお忘れなく。ちなみに、全部謄本は銀行預金の相続の際に必要だったので取得したのだった。


2 財産を明らかにし、誰が何を取得するのか決める。

なにが相続税のかかる財産なのか、明確にする。
我が家の場合は土地・建物・貯金・現金・保険金のみ。証券・株・貸している土地や家屋は無し。借金や未払いの税金も無し。


土地

・国税庁の路線価図で相続する土地の価格を調べる

https://www.rosenka.nta.go.jp/


・土地のサイズを確認する

我が家の場合、十数年前に建て替えをした際に作成した測量図があったので、それを元に計算した。
最初これが見つからず、計算ができなくてほんと気が狂いそうだったわ……


・計算方法を確認する

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm

角地とかで計算方法が違う。


建物

固定資産税の評価額を元にするので、該当年の納税のお知らせを探す。
申請の際にコピーの添付も必要。


預貯金

銀行に行って、残高証明書を取得する。
その際、相続人全員の印鑑証明書が必要。たいてい3ヶ月以内などの指定があるので、各銀行に確認。あと戸籍謄本。除籍謄本でOKというところと、全部謄本が必要なところがあった。持って行った謄本が内容不足で何度か足を運ぶことになったりした。


保険金

死亡保険が対象になる。入院保険は違う。
我が家の場合、相続税からは免除される額だった。


控除されるもの

直前の治療・入院費や、葬式代は控除される。
ただし、四十九日の費用や墓石は対象ではないので注意。


誰にどう分配するかは、土地の件でちょっともにゃもにゃした。わりとみんな疲れてたので、まずは税金のかからない小規模宅地/配偶者控除でいくことに。この辺は二次相続を踏まえて、それぞれのご家庭でよく考えた方がいいと思う。

なお、無料相談(電話)での税理士さんからは「分割しての相続はやめたほうがいい」と強くいわれた。そういうもんか。



3 記載例を読んで書く

とにかく、読解力が試される。

会社員の皆さんなら、「年末調整」の用紙を書いたことがあるだろう。「イ+ロ=ハ」みたいな計算をするやつ。相続税の書類はあれの大長編だ。


税務署に行って、相続税の書類を下さいと言うと分厚い封筒を渡される。まずこれでひえっ……ってなる。この中に、「相続税の申告のしかた」という冊子があるのだが、なんと126ページもある。見ただけで絶望する。

書き方はp68の「3 相続税の納付」からだが、それでも厚い。一回、質問があって税務署に電話したことがあるのだが、「p68から全部読んでください!」と半ギレぎみに言われてしまった。なんで電話しただけでキレられなければならないのか(※注 書類をもらいにいったときに、「分からないことがあれば、この電話番号にかけてください。専門の職員が回答します」と言われて、その番号にかけたので、あほな電凸をしたつもりはないのだが……きっと「わかりません」だけで電話してくる人が多いんだろうな)

だけど、この分厚い説明書は、証券や株を持ってたり商売していたり、現金が何億もある人たちもカバーした、全部版である。ちょっと土地があるだけの我が家には不要なページばかりなのだ。それを全部読んでたら時間の無駄で、仕事にも私生活にも支障が出る。


これとは別に、「「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減」を適用した相続税親告書の記載例」という15ページの冊子もあった。これが我が家に必要な項目が抽出されていたので、こちらは端から端まで通読した。

通読しても難解。ページをまたいで説明されるので、付箋をつけ、色鉛筆で色をつけ(たくさんもっててよかったー)、疑問点を潰していく。これで大体書き上がる。



その他

・所在地と住所は違う
評価表に記載する「所在地」は、現状使っている住所ではなく、登記簿に書かれているもの。我が家の場合、「字」の付いた古い、聞いたことも無い表記だった。画数多くて書類に書き込むの大変。

・申告時、申告書の1枚目(第1表)の写しか控えに受領の印を押される。
1枚目をコピーしておくか、控え(印を押す1枚目だけはペンで記入。それ以外は下書きとして使ってた)を持って行くこと。
自分は窓口で「駅前のコンビニでコピーしてこい」と言われて白目になった(駅から遠いから近くまで行く1時間に2本しかないバスで行ったので)。控えを持っててよかったよ、まじで……確定申告で、控えに印を押すのと同じだね。

・書き間違え
数字をいれるタイプのページは、機械読みするので修正NGっぽい。修正テープや修正液がOKかわからなかったので、間違いはカッターで薄く削って書き直した。……問題無いといいな。

それ以外のページは二重線で消し、矢印をひっぱって正しい内容を記入(これでOKというネット上の情報を参考にした)。

ちなみに葬式代を明細を見ながら記入したのだが、最終的な請求額は割引きをしてくれてて書類と異なってしまい、最終チェックで兄弟に指摘されて悲鳴を上げた。いや、割引きは嬉しいんだけどさーぐぬぬ。

・印鑑証明書の期限は特にない。
銀行は期限あるけど、読めないほど汚れてなければ税務署は大丈夫とのこと。

・区役所などでやっている無料相談会はまず予約できない。
朝一で電話しても満席。どゆこと。
神奈川県や横浜市、区で開催しているが、開催日が月1とかでわりと無理。

・地方税理士会で行っている無料相談会は、当たり障りのないことまで。
詳しくは正式に依頼してね! ってことらしい。
それとコロナ禍で電話相談しかできなかったので、なかなかもどかしかった。

・税務署の相談窓口は機能していない。
書いて出せ、と言われるだけ。じゃあなんで電話番号のせてるんだよ。
諦めてがんばって自分で書きました。間違ってたら突っ返されるだろ。

・在宅勤務ばんざい
もろもろ書類を取得するのに、在宅勤務が使える時期になっててよかった。午前半休で役所→午後から自宅で勤務(あるいはその逆)ができるので、あまり休みをとらなくて済んだ。まともにやってたら仕事も滞るわ。


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ちなみに我が家の場合は、あるのは土地だけ。ほんとにほんのちょっぴり大きめなだけで、大豪邸なんかではぜんぜんない。貯金・現金はほぼゼロなので、控除をして相続税はゼロ……になるはず。そういう書類を書いた。

しかし、「ゼロでーす!」てのを証明するために、膨大な説明書を読み、資料を作成し、記入して、これって国民の時間の無駄遣いじゃない? 税務署だってこんな庶民の書類処理するの、時間の無駄でしょう。いやだから専門の業者がいるのか。でも実際に使える財産(現金)に対して、かかる費用が多すぎる。

数年前までは、我が家も相続税の対象外だったんだよね。それが改正で対象になってしまい……なんともばかばかしい。でも書かないと多大な税金がかかってしまうのだ。ぐぬぬ。

あと、相続が発生してから10ヶ月以内に提出ってのが心理的になかなかつらい。継続して作業できればいいのだろうが、落ち込んだり書くのがいやになったりする時もある。また、コロナ禍で兄弟たちとの行き来も儘ならぬ中で書類を準備するのは骨が折れた。

以上、とりあえず。


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間違い見つけたら、随時修正します。


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